東工大チーム、iGEMで金賞受賞

大腸菌でタッチパネル作製を目指す

東工大チームがiGEM 2008 (The International Genetically Engineered Machine Competition) で金賞を受賞しました。　

11月8, 9日に、生物学版の“ロボコン”であるiGEMがマサチューセッツ工科大学 (MIT)で開催されました。５回目となるiGEM 2008では、２１カ国から大学生を中心とする８４チームが参加しました。

iGEMでは、各チームがBioBrickと呼ばれる規格化された遺伝子パーツを組み合わせることで、新しい生命システムの設計、構築を行い、その結果を競い合います。過去の大会では、光に応答する大腸菌で作った写真用フィルム、バナナの匂いのする大腸菌などがつくられました。

東工大チームは、山村研修士１年関根亮二君と生命理工学部３年生５人が中心となり、総合理工学研究科山村雅幸教授、木賀大介准教授の指導の下、５月からプロジェクトを始動させ、その成果をMITで発表しました。

研究テーマは、「Coli. Touch」と名付けた大腸菌による書き換え可能なタッチパネルの作製でした。Coli. Touchとは、指で押した部分が光るディスプレイです。ディスプレイの素子には、圧力で制御される大腸菌を使用します。
この大腸菌は、圧力によって活性化されるプロモーターの制御を受けて蛍光タンパクを発現します。最終的に、タッチパネルの完成には至りませんでしたが、iGEMのチームとしては初めて、圧力によって制御されるシステムを構築することに成功しました。
他にも、システムの解析のための数理モデルの作製や、新規の圧力応答プロモーターの開発戦略が評価され、参加した84チーム中16チームのみが獲得した金賞を受賞しました。

なお、生命理工学部の３年生は『バイオ創造設計II』の一環としてiGEMに参加し、12月６日に開催される『バイオものつくりコンテスト』でも、その成果を発表します。